避難ハッチ交換の費用相場|交換目安・届出の有無・工事の流れを確認しよう

避難ハッチ

避難設備は、もし火災が発生した時に、建物を利用している入居者の安全に直結するものであるため、非常に重要なものです。

中でも避難ハッチは、避難行動において非常に重要な役割を担う器具でもあるため、きちんとしたものでなければなりません。

しかし避難ハッチをまだ交換した経験のない管理者の方は、具体的に交換にどのくらいの費用がかかるのか不安に感じている方も少なくないはず。

結論から言えば、避難ハッチは13万円〜30万円の範囲で交換・更新工事を行ってもらえることが多いです。

この記事では避難ハッチの交換費用はいくらなのか、工事の流れや事例などと共に解説していきます。

読み終えれば、管理している物件の避難ハッチがいくらで交換できるのか把握できるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。

目次

避難ハッチとは?

避難ハッチとは、マンションやアパートのベランダ(バルコニー)などに設置されている「避難用のはしご」のことを差します。

もし屋内で火災が発生して、通常の避難経路で逃げられなくなってしまった時に、緊急手段として階下に避難するためのもの。

マンションやアパートなどの共同住宅に住んでいる入居者の安全を確保するために、避難ハッチは不可欠であるため、管理者はきちんと用意しておく必要があります。

新築物件は新しい避難ハッチが使われているため問題ないかもしれません。

ただ老朽化している物件は、避難ハッチが鉄製でサビやすくなっているものも多いです。

現在は法律で材質が「ステンレス」と定められており、それ以外のものは交換しておく必要があるので注意しましょう。

避難ハッチの設置基準は消防法で定められている

避難ハッチを設置すべき基準は、消防法や建築基準法できちんと定められています。

そもそも先述したように、避難ハッチは避難経路が塞がれてしまった場合に、もうひとつの経路を確保するために設置されています。

法令の中では、これを「2方向目の避難経路」として記述することが多く、大規模な共同住宅には基本的に設置しなければなりません。

設置基準に関しては、細かく下記のように定められています。

① 収容人員10人以上
・ 一階段のみの防火対象物で3階以上の階、ただし(2)項キャバレー等、(3)項飲食店等は2階も対象(第5号)
・ (5)項ホテル等、(6)項病院等の地階・2階以上の階で下階に(1)~(4)項、(9)項、(12)項イ、(13)項イ、(14)項、(15)項がある階(第1号、第2号)

② 収容人員20人以上
・ (6)項病院・保育所等の地階・2階以上の階で、上記①以外のもの(第1号)

③ 収容人員30人以上
・ (5)項ホテル・共同住宅等の地階・2階以上の階で、上記①以外のもの(第2号)

④ 収容人員50人以上
・ (1)~(4)項、(7)~(11)項の地階・2階(耐火建築物の場合は3階)以上の階(第3号)

⑤ 収容人員100人以上
・ (12)項工場等、(15)項その他事務所等の地階・3階以上の無窓階(第4号)

⑥収容人員150人以上
・ (12)項工場等、(15)項その他事務所等の3階以上の有窓階(第4号)

また避難器具全般に言えることとしては、どの階にどの避難器具を設置しても良いという訳ではありません。

地上階や高層階に避難ハッチを設置しても、利用できないため、基本的に以下のように定められています。

階数設置基準
地下×
1階
2階
3階
4階
5階
6~10階
11階×

設置基準に関しては、消防法で細かく定められていますが、表がかなり見にくいため、自分の物件が対象か否かは、消防署や消防業者まで問い合わせてみましょう。

弊社では避難ハッチの交換・更新工事を約12万円〜で承っています。

もし避難ハッチの交換・更新などの工事でお困りであれば、ぜひ弊社のお問い合わせフォームからお問い合わせください。

消防署への届け出が必要な場合も

避難ハッチに限らず、消防設備を新たに設置する場合には設置計画届を提出する必要があります。

ただ交換作業・計画書に関しても業者に任せることがほとんど。

管理者側が具体的に関与することは基本的にはないので、安心しましょう。

避難ハッチ交換の流れ

避難ハッチの交換をお願いする際の、工程の流れを理解しておくことで、工期などを読みやすくなります。

工事に直接関与する必要はなくとも、避難ハッチを交換する際の流れについてはきちんと理解しておくようにしましょう。

調査・採寸

まずは現場で、現状設置されている避難ハッチのサイズを調査・採寸します。

主にメーカーが作っている既製寸法品を使うのが一般的ですが、サイズが特殊な場合は、オーダーしなければならないこともあります。

発注

現場のサイズ感が分かったら、サイズに合うだけの避難ハッチを発注します。

取り付け

製品が制作できたら、既存の避難ハッチをとりはずして、新品に交換します。

通常は1台1時間ほどで完了しますが、現場の環境・天候によっても施工期間は変動するので予め確認しておきましょう。

消防署への報告

依頼者に対して報告が行われた後に、消防署へ設置届(交換台数により着工届も必要)の報告を行います。

避難ハッチを操作して本当に作動するかどうか、消防署による検査が行われることもあるため、入居者への事前連絡も忘れずに行いましょう。

避難ハッチ交換の費用相場

交換件数1件
避難ハッチの交換費用130,000円〜300,000円

避難ハッチを交換する際にかかる費用は、1件あたり約13万円~30万円ほどかかる計算になります。

ひとつの避難ハッチに対して、13~30万円ほどの費用がかかってしまうということもあって、物件によってはかなり予算がかかってしまうことが予想できます。

価格幅が大きいのは、はしごの長さによって製品の価格も大きく変わるためであり、高い階であればあるほど避難ハッチの値段も高くなります。

業者によっては、一括でまとめて数十件以上の避難ハッチ交換を依頼することで、セット値引きしてくれるような業者も少なくありません。

「今はとりあえず一部だけ交換しておこう」と考える方も多いかもしれませんが、直す時は一気に直した方が全体的なコスパが良くなることがほとんどなので覚えておきましょう。

避難ハッチを交換した施工事例

実際に避難ハッチを交換するとどのくらいかかってしまうのか、ネット上で他社の施工事例を3つほどまとめました。

避難ハッチの交換を検討されている方は、ぜひ事例を参考にしてみてください。

事例1:小規模マンションでの避難ハッチ交換工事

  • 物件:マンション
  • 金額:125,000円

マンションでの避難ハッチ交換工事を行い、1台12.5万円で行ったという事例です。

こちらのケースでは改修用のはしごを利用したため、料金的にもかなり安く収まったとのことでした。

事例2:3階建てマンションでの避難ハッチ交換工事

  • 物件:マンション(3階建て)
  • 金額:600,000円

老朽化した鉄製の避難ハッチを使用していたため、器具ごと新しいものに交換した事例です。

完全に新規部品に交換&3階建てということもあり、平均より高額な交換工事となってしまいました。

事例3:マンションでの既存避難ハッチ交換工事

  • 物件:マンション
  • 金額:180,000円

このケースでは業者の方が「1~4台まで」を「18万円/台」で、「5台以上」を「16.5万円/台」で請け負っていました。

やはり一度に沢山お願いした方が、長期的に見てもかなりお得であるケースが多いので、修繕箇所が多い場合は一括でお願いしましょう。

まとめ | 避難ハッチの交換ならトネクションへご相談ください

避難ハッチの交換は、13~30万円ほどかかるため、お願いする業者をかなり慎重に選ばなければなりません。

既存の避難ハッチを交換する場合と、全て新品の避難ハッチに交換する場合では、大きく料金が異なります。

悪徳業者の中には、全てを交換する必要がないにも関わらず、安全性の不安を煽って高い方のプランを勧めてくることも珍しくありません。

弊社では、避難ハッチの交換工事を12万円台〜行っており、物件によって柔軟に料金を変更して対応させて頂くことが可能です。

避難ハッチの交換を検討されているのであれば、御見積りを出させて頂きますので、ぜひ一度弊社までご気軽にご相談ください。

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この記事の担当スタッフ

建築・消防ラボのお問い合わせ受付/見積もり作成などを担当。消防工事・消防点検・建物工事・建物点検に関する幅広い見積もり依頼を受け付けております。業歴60年のなかで様々な点検/施工実績がございます。社内にいる各種スペシャリストと連携してサービスを運営しております。

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