移動式粉末消火設備はマルチに役立つ防火設備|定期点検でいつでも使えるようにしておこう
万が一にでも起こってほしくないのが火災です。しかし、不慮の事故で火災が発生することはあります。そうした際に迅速に鎮火できるかどうかが、最終的な被害の大きさを決定付けます。
法律で設置が義務付けられている移動式粉末消火設備とは、いったいどのような設備なのでしょうか。定期点検のやり方や交換時期、一般的な消火器との違いについてまとめました。
移動式粉末消火設備とは?
移動式粉末消火設備とは、消火薬剤の詰まった貯蔵容器とホースが一体となって格納箱に保管されている設備です。
設備から一定の距離までホースを使って鎮火でき、小型の携行式消火器に比べて薬剤量も多く確保しやすいというメリットがあります。
万能型消火設備
火災には、
- A型(普通火災:木や紙などが燃えて起こる火災)
- B型(油火災:てんぷら油やガソリンが燃えて起こる火災)
- C型(電気火災:漏電などが原因で発生する火災)
があります。
粉末薬剤を用いた消火方式は、これらのどれにでも高い消火性能を発揮します。
最大20mのホースで離れた位置でも鎮火できる
移動式粉末消火設備は、最大20m程度のホースがついており、消火設備から離れた位置の火災でも安全に鎮火しやすいよう設計されています。
設置基準と耐用年数
移動式粉末消火設備は、各設備から半径15mですべての床が覆えるように設置する必要があります。
屋外に設置する設備の場合、赤色灯の電源としてソーラーバッテリーを利用するものもあります。
これらの耐用年数は16~20年程度とされていますが、気温変化が激しい場所などではボンベへのダメージが大きくなることなどから、10年をめどに交換しておくと安心です。
価格は1基10万円程度するため、設備更新のためのコストはあらかじめ計算しておく必要があるでしょう。
消火器との違いは
携行式の消火器は、持ち運びが容易でどこでも消火活動に使えるメリットがありますが、消火薬液量が少なめです。
移動式粉末消火設備は大量の消火薬剤を噴出できるので迅速かつ的確な鎮火が可能です。
一方、通気性に十分気を付けないと、使用者が窒息してしまうリスクもあるため、注意が必要です。
移動式粉末消火設備の使い方
移動式粉末消火設備は、以下の手順で使用します。
- 加圧用ガス容器のハンドルを全開にする
- 放出弁レバーを「開」の位置に合わせる
- ノズルをもってホースを取り出す
- 火元に移動する
- ノズルの開閉弁コックを全開にする
メーカーによって名称が異なる場合がありますが、基本的な手順はこの通りとなります。
また、鎮火完了後には、建物内の排気、消火用の粉末薬剤の掃除、設備の再整備などを行います。
移動式粉末消火設備の定期点検について
移動式粉末消火設備は、設置するだけでなく、緊急時に適切に使用できなくてはいけません。
特に、加圧用ガス容器のバルブが固く締まりすぎていないか、6ヶ月に1回の定期点検が義務付けられています。
定期的な設備更新はもちろん、維持管理も実施して、いざというときに備えましょう。
安全に留意して使えるよう移動式粉末消火設備点検を怠らないことが大事
移動式粉末消火設備は、さまざまな建物に必須の消火設備です。
あらゆる火災に対して有効な消火設備ですが、使用上で注意したい点もあります。
また定期的に設備更新を行うほか、半年に1度はバルブ開放の可否をチェックして、緊急時に備える必要もあります。
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