非常放送用スピーカーの更新工事にかかる費用相場|種類や設置・配線基準についても
非常放送設備において、明瞭な音声を伝えるために重要な非常用スピーカー。
平成6年の消防法改正によって、放送設備の環境が大きく変わり、従来のサイレン警報から正確に情報を伝達する警報へと変更され、スピーカーの役割は増加しました。
この記事では、非常放送用スピーカーとは何か、設置基準、更新工事にかかる費用まで徹底的に解説しています。
読み終えれば、あなたも非常放送用スピーカーの更新工事には一体いくらかかるのか理解できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
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非常放送用のスピーカーは、文字通り、非常時に警報設備が起動した際、音声放送を伝える役割を担っています。
アンプによって増幅された信号を、音に変換して発信する上で欠かせない装置であり、スピーカーの質によって音質を大きく左右しています。
必ず認定品を使用する必要がある
非常放送用スピーカーは、消防法に定められた耐熱基準をきちんとクリアした認定品以外使用することが出来ません。
きちんとスピーカーが認定品であるか確認した上で利用するよう注意しましょう。
非常放送用スピーカーの種類
形状によって沢山の種類があるため、建物の規模・種類に適したスピーカーを選ぶことも重要です。
非常用スピーカーは大きく分けて4種類。
- 天井埋め込み型
- 埋込み型
- 壁掛型
- ホーン型
天井埋め込み型
天井に設置されているタイプのスピーカーです。
小口径であるため、コンパクトなサイズ感が人気で、天井に埋め込む形で取り付けられています。
埋込み型
天井ではなく壁など側面に埋め込むタイプのスピーカーです。
インテリア性を妨げない主張の少ないデザインのものが多く、ホテル・マンションなどに採用されています。
壁掛け型
学校などの公共施設で見かけることが多いのが、壁掛型のスピーカーです。
埋め込み型ではなく、壁にそのままスピーカーを取り付ける形で設置されています。
ホーン型
屋外に設置し、大音量で遠くまで音声を伝達する際に採用されるのが、ホーン型のスピーカーです。
町役場・消防署などの公共機関が、地域全体への広域放送を行う目的で利用しています。
非常放送用スピーカーの設置基準
非常放送用のスピーカーは、緊急時に適切かつ冷静な避難活動を促す目的で設置されているため、設置基準が明確に決定されています。
設置基準は大きく分けて「10m基準」「性能基準」の2つの基準が定められています。
10m基準 | 性能基準 | |
---|---|---|
設置基準の詳細 | 放送区域内のどの場所からも、スピーカーまでの水平距離が10m以内であること。階段・傾斜路では垂直距離15mにつきL級スピーカーを1個以上設置する必要がある。 | 床面から1mの任意の場所で、75dBの音圧と明瞭性が確保されていること。 |
従来の基準を引き継ぐ形となった「10m基準」は、どの場所にいても、きちんと非常放送が聞こえるように配慮されて設けられているものです。
平成10年に施行された消防法施行規則改正で、新しく設置基準として設けられた「性能基準」は、明瞭性の確保に重きがおかれています。
明瞭性の確保は、具体的に言及すると「床面からの高さが1mの箇所からスピーカーまでの距離が、臨界距離の3倍以上となること」が条件。
これらの基準は、同じ放送区域で併用することはできず、どちらかの基準を選んで適用させることが定められています。
非常放送用スピーカーの出力基準は3種類
スピーカーの出力基準は、L・M・Sの3つの音圧基準が定められています。
L級 | 音圧:92db/1m以上 |
M級 | 音圧:87db/1m以上 |
S級 | 音圧:84db/1m以上 |
また放送区域の大きさに応じて、スピーカーの種類は以下のように規定が設けられています。
放送区域の大きさ | 種別 |
100㎥以上 | L級 |
50㎥以上100㎥以下 | L級・M級 |
50㎥以下 | L級・M級・S級 |
非常放送用スピーカーの配線基準
- 絶縁抵抗は対地電圧が150V以下の場合は0.1MΩ以上
- 同一管に他の線と共有不可
- 音量調節器を設置する場合は3線式配線
- スピーカーの配線は系統別単独配線
- 増幅器からスピーカーまでの配線は600V耐熱ビニール絶縁電線(HIV等)を金属管工事
放送系統が燃焼してしまった場合、区画への大きな損失を避けるために、配線を1台ごとに二重化した「複線方式」が求められています。
また火災が起こった時にケーブルが燃焼してしまわないように、配線は耐熱性のある電線を利用することも求められています。
非常放送用スピーカーの更新工事にかかる費用
費用 | |
---|---|
埋込式スピーカー 150Φ(パネル含む) | ¥40,000 |
非常放送用スピーカーの更新工事にかかる費用相場を調査したところ、工事費用を公開している企業は見受けられませんでした。
そのため今回は、弊社で非常放送用スピーカーの更新工事を行なった場合にかかる費用について公開しています。
弊社で非常放送用スピーカーの更新工事を行なった場合、4万円〜承っています。
もちろんスピーカー本体の価格にも左右されますが、埋込式のスピーカーを取り付ける場合には、このくらいの費用がかかるということは相場感として把握しておくと良いでしょう。
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火災発生時に明瞭かつ的確な情報を避難者に伝えるためにも、スピーカーは非常に重要な機器のひとつ。
いざ火災が発生した時に、整備不良でスピーカーから音が出ない!ということにならないよう、更新工事を行う必要があります。
前述したように弊社では、非常放送用スピーカーの更新工事を約4万円〜承っています。
もし非常放送用スピーカーの更新工事を検討されているのであれば、ぜひ一度トネクションまでご気軽にご相談ください。