消火栓ボックスとはどんなもの?種類や設置基準について詳しく解説

消火栓ボックスとはどんなもの?種類や設置基準について詳しく解説

建物のいたるところで見かける消火栓ボックス。消防法で設置が義務付けられていることもあり、消火栓ボックスについて詳しく知っておきたいという人も多いでしょう。今回の記事では、消火栓ボックスの概要や種類、設置基準などについて具体的に詳しく解説します。

目次

消火栓ボックスとはどんなもの?

消火栓ボックスとは、「消火栓設備」を利用するための機材が収納されている箱のことを言います。

消火栓設備というのは、火災が発生した際の初期消火を行うための設備です。

初期消火を行う設備として、粉末で消火する「消火器」を思い浮かべる人も多いかと思いますがこれとは少し違い、水を使用して消火する設備を消火栓設備と呼んでいます。

消火栓ボックスは、比較的規模の大きい建物の中やその周辺には必ずと言って良いほど設置されているため、見たことがあるという人も多いのではないでしょうか。

消火栓ボックスにはいくつかの種類があるため、それぞれの概要やどんな中身になっているのかについても見ていきましょう。

消火栓ボックスは3種類ある

消火栓ボックスは屋外に設置される「屋外型」と「ホース格納型」、屋内に設置する「屋内型」の3種類があります。

「屋外型」消火栓ボックスの概要と中身

「屋外型」消火栓ボックス
出典;横井製作所

屋外型消火栓ボックスは、建物の周辺に設置される設備で、建物内で発生した火災を外から消火する目的で設置されています。

箱の中には

  • 開閉バルブ
  • 連結送水管用バルブ
  • ノズルとセットになったホース

が入っており、中に収納されている機材のみで消火活動を行うことが可能です。

屋外に設置されているため、屋内型の消火栓ボックスと比べると外面が劣化しやすく、収納されているホースやバルブが腐食してしまうことがあります。

そのため、定期的な点検を行っていくことが特に重要になる設備と言えます。

また、屋外型の消火栓は建物の外から放水するということもあり、屋内型よりも放水力が強くなっています。

1人で使用するとなるとノズルを安定させるのにかなりの腕力が必要になるので、2人以上で使用するのが望ましいです。

ホース格納型の概要と中身

出典:初田防災設備

ホース格納箱は、近くに設置されている「消火栓」に繋げるための器具が収納されている箱です。

火災が発生した際、消防隊員が到着するまでに、火災現場にいる人達が消火活動を行えるようにするために設置されています。

放水力が強力なため、使用する際には2人以上の人数で行うことが推奨されます。

ホース格納箱の中には下記の4点が収納されています。

  • ホース
  • 消火栓開閉ハンドル
  • スタンドパイプ
  • 筒先

「屋内型」消火栓ボックスの概要と中身

出典:横井製作所

屋内消火栓ボックスは、建物の内部で消火活動を行うための機材が一式収納されている箱です。

屋内型消火栓ボックスの中身は、基本的に屋外型と同じで

  • 開閉バルブ
  • 連結送水管用バルブ
  • ノズルとセットになったホース

の3点が収納されています。

消火栓ボックスの色に意味はある?

消火栓ボックスには、標準色の赤色以外にも、白や黒、黄色といったカラフルなものが設置されています。

「色によってもしかして性能が違う?」と気になっている方もいるかもしれませんが、結論から言えば、色によって特に違いがあるわけではありません。

消火栓などの色を変えるのは禁止されていますが、消火栓ボックスの表示灯と発信機以外の色は、赤色以外でも好きな色に変更できるのです。

そのため、建物のデザインに合わせて塗装したり、カラーシートを貼ったりすることも可能となっています。

消火栓ボックスの設置基準

消火栓ボックスは、設置したい箇所に自由に置けるわけではありません。

消防法によって、設置する箇所の基準が設定されています。

消防法で設定されている設置基準を、屋外型とホース格納箱、屋内型でそれぞれまとめていますので参考にしてください。

屋内型の設置基準

屋内型の消火栓ボックスに関する設置基準は、消防法第12条にて定められています。

消火栓ボックスに関することを記載している項目を抜き出したのが下記です。

加圧送水装置の始動を明示する表示灯は、赤色とし、屋内消火栓箱の内部又はその直近の箇所に設けること『第十二条第3項2号』
屋内消火栓箱には、その表面に「消火栓」と表示すること『第十二条第3項3号イ』
屋内消火栓箱の上部に、取付け面と十五度以上の角度となる方向に沿つて十メートル離れたところから容易に識別できる赤色の灯火を設けること『第十二条第3項3号ロ』
屋内消火栓箱の直近の箇所には、取付け位置から十メートル離れたところで、かつ、床面からの高さが一・五メートルの位置から容易に識別できる赤色の灯火を設けること『第十二条第3項3号(イ)』
屋内消火栓設備には非常電源を附置すること『第十二条4号』

引用元:消防施行規則

屋外型・ホース格納箱の設置基準

屋外消火栓ボックスを設置する際の基準は、消防法第22条にて定められています。

消防法第22条に記載されている、屋外消火栓ボックス(格納箱)とホース格納箱に関する内容は下記の通りです。

屋外消火栓設備の放水用器具を格納する箱は、屋外消火栓からの歩行距離が五メートル以内の箇所に設けること。ただし、屋外消火栓に面する建築物の外壁の見やすい箇所に設けるときは、この限りでない『第二十二条第2項』
加圧送水装置の始動を明示する表示灯は、赤色とし、屋外消火栓箱の内部又はその直近の箇所に設けること『第二十二条第3項』
屋外消火栓箱には、その表面に「ホース格納箱」と表示すること『第二十二条第4項イ』
屋内消火栓設備には非常電源を附置すること『第二十二条第6項』

引用元:消防施行規則

消火栓ボックスは定期的なメンテナンスが必要

消火栓ボックスは、万が一の火災発生時に重要になる消火栓機材を収納しています。

もし、ここぞという場面で扉が開かなかったり、収納物が劣化していたりしたら消火活動が遅れてしまい、守れたはずの人の命や財産を失ってしまうことにもなりかねません。

こういったことが起きないようにするためにも、定期的なメンテナンスを行い、いつ火災が発生しても大丈夫な状態にしておくことが大切です。

弊社では、消火栓ボックスのメンテナンスや更新工事も承っております。

「消火栓ボックスを設置したいけどどこに置くべき?」
「更新工事っていくらかかるの?」

こういったことでお困りの方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の担当スタッフ

建築・消防ラボのお問い合わせ受付/見積もり作成などを担当。消防工事・消防点検・建物工事・建物点検に関する幅広い見積もり依頼を受け付けております。業歴60年のなかで様々な点検/施工実績がございます。社内にいる各種スペシャリストと連携してサービスを運営しております。

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