スプリンクラー設備の設置費用はいくら?工事単価や補助金についても徹底解説

火災が起こった時に、煙を感知して散水し、初期の消火活動を助けてくれるスプリンクラー

焼死のほとんどの原因である「一酸化炭素中毒」を抑制することで、死者発生率を1/6にも抑える効果があると言われています。

そんな消火において絶大な効果があるスプリンクラーですが、建物の管理会社(組合)の方は、設置にいくらくらい費用がかかるのか気になる方も多いでしょう。

結論から言うと、スプリンクラー設備の設置するのにかかる費用は約3,000万円〜です。

この記事ではスプリンクラー設備の設置・更新にかかる費用相場について事例を交えながら解説します。

読み終えれば、あなたもスプリンクラーを設置するのにいくらかかるのか理解できるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

建物に設置されているスプリンクラーは初期消化に有効

スプリンクラーが建物の天井に設置されているのを見たことのある方も少なくないのではないでしょうか。

配管を通した天井面に、スプリンクラーヘッドを取り付けることで、火災が発生するとヘッド部分が熱によって破壊され、自動的に散水される仕組みになっています。

火災報知器と同じような形状で設置されており、非常にコンパクトですが、初期消火におけるその効果は絶大なもの。

東京消防庁によれば、スプリンクラー設備が設置されていると、初期消火成功率が96%にも上ると言われています。

消火器による初期消火成功率が約70%であることを考えると、それを遥かに上回る数字であることが分かりますよね。

スプリンクラーの設置基準は法律で定められている

スプリンクラーの設置基準は、下記の表のように法律で定められています。

スプリンクラー設備・泡消火設備設置基準

公共施設や飲食店など指定の建物においては、スプリンクラーの設置が義務化されているため、必ず設置しておく必要があります。

特に病院・有床診療所・グループホームなどの介護施設では、面積に関わらずスプリンクラーの設置が義務化されているところも多いので注意が必要でしょう。

スプリンクラーの費用相場|事例も交えて解説

内容料金
スプリンクラーヘッドの交換10万円〜 / 1箇所
スプリンクラー設備更新工事(100㎡)2,000万円〜

おそらく上記の表を見て、スプリンクラーの設置にかかる費用が「意外と高い」と感じた方も少なくないでしょう。

中には「ヘッドを交換するだけでなぜそんなにかかるのか?」と疑問に思う方も少なくないはず。

スプリンクラーヘッド自体は5,000円で売っていますが、スプリンターヘッドには常に水圧がかかっているため、修理のためには配管内部の水をすべて抜かねばなりません。

また設備更新ともなれば、貯水タンクから配管、スプリンクラーヘッドまで施工する必要が出てきてしまいます。

全体的な工事ともなると、階数にもよりますが、2,000万円を超えることも少なくないので、予め多めに予算を見積もっておく必要がありそうです。

では実際には、どのくらいの費用でスプリンクラーは設置されているのでしょうか。

今回は2つ事例をまとめました。

事例1:グループホームの場合

高齢者用グループホームでは、平成25年の2月に起きた高齢者グループホームでの火災をきっかけにスプリンクラー設置が義務付けられています。

グループホームにスプリンクラーを設置した場合、個数にもよりますが、延べ面積150㎡と仮定すると、250万円〜300万円ほどの施工費が発生します。

補助金を出してもらえることもありますが、それでも半額ほどは施設側で負担することになるため、高額負担は避けられないでしょう。

事例2:住宅の場合

住宅であっても窓のない部屋や、地下室にはスプリンクラーを設置しなければなりません。

たとえ一般住宅であったとしても地下室、無窓の部屋があったらスプリンクラーを設置しないと法律違反です。

延べ面積150㎡の住宅にスプリンクラーを設置する場合、最低でも約50万円〜100万円ほどかかります。

自社で管理している物件に地下室がある場合は、必ず必要になるので注意しましょう。

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スプリンクラー設備を設置する際の流れ

ここでは、スプリンクラー設備を設置してもらう場合の流れについて解説しています。

実際に依頼してから、工事の完了までどのくらいの工程がかかるのか、きちんと考えてみましょう。

取り付け位置・設置個数の算定

スプリンクラーを設置する場合、設置する面積によって取り付け位置、設置個数などが大きく変わります。

業者に採寸・設計してもらってから正確な見積もりが出ることも少なくないので、しっかり見積もり金額について確認を取っておきましょう。

着工届の提出

スプリンクラーの設置工事には、水が必要となるため、配管の系統図を作成する必要もあります。

作成した図面や配管系統図などを持って、所轄の消防署に着工届を提出しないと、工事が開始できません。

配管工事

まだスプリンクラー設備を取り付けたことの無い施設の場合は、天井裏へ配管を通していく作業が必要となります。

設置する箇所に合わせて、スプリンクラーの配管も計算して施工します。

スプリンクラーヘッドなどの設備取付

スプリンクラー設備や配管、ポンプユニットなどを接続していく作業です。

接続ができたら圧力によるテストや、水漏れが発生しないかどうかのテストを行って、設備の施工は完了となります。

スプリンクラー設備設置届の提出

施工が完了したら、図面や概要表、配管系統図などを持って所轄消防署へ設備設置届を提出しておきます。

提出後に、消防署の方が検査を行い、問題なければ全ての作業は完了です。

スプリンクラー設置に際して補助金がある?

近年、スプリンクラーの設置が義務化された施設の中には、設置に際して補助金が出る施設も少なくありません。

補助金の対象となっている施設は大きく分けて2つ。

  • 介護系施設(老人ホーム・デイサービスセンター・介護事業所)
  • 医療系施設(病院・診療所・助産所)

介護系施設は、平成27年4月から施行されている消防法の改正にともなって、自力避難が困難とされた要介護者を入居させる施設の消火設備の設置が義務付けられています。

補助金額は各市町村によって微妙に異なりますが、

面積㎡当たりの単価
275㎡以上〜1,000㎡未満9,000円/㎡ × 面積
1,000㎡以上の平屋建て17,000円/㎡ × 面積

と定められており、工費を大きく負担してもらうことが可能です。

医療系施設は「有床診療所等スプリンクラー等施設整備事業補助金」という名目で、病院や診療所などのスプリンクラー設備を補償してくれるもの。

補助率は「全工費分の2分の1」と設定されており、約半額でスプリンクラーを設置することができます。

補助金を利用することで、より安価にスプリンクラーを設置することができるので、ぜひ積極的に利用しましょう。

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スプリンクラー設備は安くないので慎重に信頼できる業者を選ぼう

記事内でも述べたように、スプリンクラー設備自体は決して安くはありません。

スプリンクラーヘッドだけの交換なら安く抑えられますが、ほとんどが100万円以上かかってしまうため、業者を慎重に選ぶ必要があるでしょう。

相見積もりをきちんと取ることによって、スプリンクラー施工をなるべく安く行ってくれる業者を選定することが可能です。

弊社でも、スプリンクラー及び消防用ポンプの更新工事を行っており、施工実績は非常に豊富にあります。

もしスプリンクラー設備の設置を検討されているのであれば、弊社までご気軽にご相談ください。

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この記事の担当スタッフ

建築・消防ラボのお問い合わせ受付/見積もり作成などを担当。消防工事・消防点検・建物工事・建物点検に関する幅広い見積もり依頼を受け付けております。業歴60年のなかで様々な点検/施工実績がございます。社内にいる各種スペシャリストと連携してサービスを運営しております。

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