外壁調査(赤外線・全面打診)の費用相場を比較!メリット・デメリットも解説

建物の壁の劣化具合を調査し、安全に問題がないかどうかを判断するために重要な外壁調査

劣化を早い段階で感知し、修繕していくためにも、定期的に外壁調査を行うことは法律で義務付けられています。

建物の管理業者の方で、外壁調査の経験がない方にとっては、どのくらいの費用がかかるのか疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、外壁調査を行う際にかかる費用、赤外線調査・全面打診調査の違いなどを中心に解説します。

読み終えれば、あなたも外壁調査にかかる費用を具体的に把握できるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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目次

外壁調査では「外壁のひび割れ・浮き・欠損」などの問題がないかを調査

日光や風雨などで劣化した外壁は、ひび割れ・白華現象(外壁に白い粉が浮き出ること)を起こすため、時間の経過とともに劣化がどんどん進行してしまいます。

どんなに耐久性のある鉄筋コンクリートの建物であっても、竣工から時間が経つと、

  1. 剥離
  2. 浮き
  3. ひび割れ
  4. 爆裂
  5. 欠損

などが起こり、劣化してしまうのです。

タイルやモルタルなどの外壁材は、剥離程度が大きくなっていくと、落下してしまう危険性が高くなるため、安全性の面でも定期的な修繕は非常に重要なのです。

外壁の落下などによるトラブルが起こってしまってからでは遅いので、必ず事前に修繕を行うように心がけましょう。

外壁調査を行う周期は10年

最初に外壁調査を行う場合は、竣工から10年経過した後に行われます。

平成20年4月1日からの建築基準法によると、竣工から10年の時を経てから、特定建築物定期報告調査の際に外壁調査が必要となります。

建築基準法では、

建築物の所有者、管理者又は占有者は、その建築物の敷地、構造及び建築設備を常時適法な状態に維持するように努めなければならない

と定められており、更に

これらの建築物の建築設備及び防火戸その他の政令で定める防火設備(以下「建築設備等」という。)についての第三項の検査を除く。)点検をさせて、その結果を特定行政庁に報告しなければならない。

とあり、特定行政庁に必ず報告することが義務付けられています。

すでに竣工から10年が経過しているのであれば、速やかに外壁調査を行ってください。

外壁調査を行わなかった場合の罰則

外壁調査を行った結果を特定庁に報告することを怠っていると、罰則が下されることもあります。

実際に、建築基準法第101条には罰則規定が記載されており、以下のように記されています。

次の各号のいずれかに該当する者は、100万円以下の罰金に処する。

  二 第12条第1項又は第3項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

まず定期報告の提出期限が過ぎると、役所から「督促」が届くようになります。

督促を無視し続けると、当然「報告をしていない」ということになるため、罰則が適用される結果になるのです。

ただ中には、

  1. 3年以内に外壁改修工事の実施が決まっている場合は猶予
  2. 歩行者等の危険が及ぶ部分に落下を防ぐ安全策が講じられている場合は、手の届く範囲の打診調査だけでOK

などが認められるケースもあるため、調査の際に業者と相談しつつ決めることをおすすめします。

外壁調査には「赤外線」「全面打診」の2種類がある

外壁調査には以下の2つの種類が存在します。

  1. 赤外線調査
  2. 全面打診調査

どちらの調査を選択するかは、建物の管理者の方次第です。

しかし2つのどちらを選ぶのかで工数や料金は大きく変化するので、それぞれどんな調査なのかきちんと理解しておきましょう。

赤外線調査

赤外線調査は、打診調査と比較すると、近年新しく確立された外壁調査方法。

調査に赤外線カメラを利用し、外壁を撮影・解析し、「剥離・ひび割れ・浮き」と呼ばれる部分を抽出し、修繕箇所を明らかにします。

画像を解析ソフトを使って、サーモグラフィによって解析することで、熱画像を的確に解析することが可能に。

カメラを使って、画像解析を行うだけなので、打診調査より簡易的かつ安価に行うことができるのがメリットです。

全面打診調査

外壁調査の中でもメジャーな調査方法として知られているのが、全面打診調査です。

「全面打診」という名前の通り、壁の表面を「打診棒」と呼ばれる棒で叩くことで、打診音から外壁材の浮き・剥離などを検出します。

全面打診調査を行う方法としては、

  1. 高所作業車・ゴンドラなどを利用する
  2. 仮設足場を利用する
  3. 屋上からロープを使って降下する

などがあり、高所で作業員に打診を行ってもらうのが一般的です。

外壁調査の赤外線・全面打診の比較表!メリット・デメリットを解説

外壁調査における赤外線調査・全面打診調査には、それぞれメリット・デメリットが存在します。

それぞれのメリット・デメリットについて理解した上で、どちらの調査方法を選択するか検討してみましょう。

赤外線調査のメリット・デメリット

メリット・料金を安く抑えられる

・工期を短期間で終えられる

・安全性が高い

デメリット・調査結果が信頼性にかける

・都内など建物が多い場所では調査自体が行えない可能性がある。

赤外線調査における主なメリットは、料金を安く抑えつつ、短い工期で工事を終えることができるということです。

外壁調査において最も料金がかさむポイントは「足場」

打診調査の場合は、足場を組んで行うケースも多く、足場を組むことでコストが膨大になり、予算が大きなウエイトを占めます。

赤外線調査の場合は、足場を組む必要がなく、撮影するだけで簡単に作業を終えることが可能です。

また高所で作業する作業員なども必要ないので、落下事故などの危険性が低いという理由で、学校などの公共建物では選ばれることも多いです。

一方で赤外線調査におけるデメリットは、調査結果が信頼性に欠けるという点。

あくまでも赤外線カメラによる外からの撮影・解析によって行われるため、細かく浮き・割れなどが判断できないという特徴があります。

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全面打診調査のメリット・デメリット

メリット・点検調査が確実
デメリット・工期が長い

・料金が高い

全面打診調査の場合、作業員が自分の目で見て、目視によって外壁を確認できるので、点検内容の確実性が非常に高いというメリットがあります。

そもそも外壁面の安全性を調査するために行うのにも関わらず、的確に外壁を判断できないのは良い事ではありません。

赤外線調査では行き届かないような部分の不具合にも気付けるというのは、大きなメリットであると言えるでしょう。

一方で打診調査を行うには、足場を組んだり、作業員の人件費もかかるため、かなり料金がかさんでしまうという点でデメリットは大きいです。

ただ最近では、屋上からロープを垂らして打診調査を行うことも出来るので、仮設足場を必要としないケースもあるので、業者に料金を抑える方法がないか聞いてみましょう。

外壁調査にかかる費用相場!赤外線・全面打診はどちらが安い?

費用
赤外線調査120~350(円 / ㎡)
全面打診調査(ロープ)200~700(円 / ㎡)

先述したように、外壁調査にかかる費用は、赤外線調査の方が圧倒的にコストを抑えることができます。

全面打診調査はロープの場合でも、1㎡当たり200円以上の調査費用が必要になるので、注意しなければなりません。

費用感的にはどちらの調査方法を選ぶかによって、大きく費用が変わるので注意が必要です。

弊社では外壁調査も承っており、費用を詳細に知りたい方に向けて、お見積り作成なども行っています。

どのくらいのお金がかかるか知りたい方は、ご気軽にご連絡ください。

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外壁調査の費用を抑えたいなら赤外線調査を選ぼう

外壁調査には、赤外線・全面打診のそれぞれにメリット・デメリットが存在することは先述した通り。

赤外線調査も以前はクオリティの面で疑問視されている部分もありましたが、現在では赤外線調査を選ぶ人の方が多いです。

また最近はドローンによって赤外線カメラで撮影する手法なども出てきており、より調査の正確性も上がってきています。

費用を抑えたいのであれば、特別な理由がない限り、費用・スピード・安全性の面でメリットが大きい赤外線調査を選ぶことをおすすめします。

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この記事の担当スタッフ

建築・消防ラボのお問い合わせ受付/見積もり作成などを担当。消防工事・消防点検・建物工事・建物点検に関する幅広い見積もり依頼を受け付けております。業歴60年のなかで様々な点検/施工実績がございます。社内にいる各種スペシャリストと連携してサービスを運営しております。

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