非常照明設備の更新工事にかかる費用・相場|設置基準や種類・避難誘導灯との違いも

火災・停電などが起こった際、避難するための通路に、一定の明るさを確保するための非常照明設備

避難する際に、足元を照らしてくれる非常照明設備は、安全な避難活動を促すために必要不可欠です。

ただ非常照明設備の更新工事を依頼したことの無い方は、費用がいくらかかるのか・そもそもどんな仕組みなのか理解できていない方が大半のはず。

この記事では、非常照明設備の更新工事にかかる費用を中心に、設置基準・種類などを具体的に解説します。

読み終えれば、あなたも非常照明設備の仕組み・更新工事にかかる費用などを具体的理解した上で発注できるので、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

非常照明設備とは?

非常灯(LED非常用照明器具)| 施設用照明器具 | Panasonic
引用元:パナソニック

非常照明設備は、災害による停電などが起こった際にも、避難時の通路・居室に一定の明るさを保つための防災設備のことを指します。

電気の供給が絶たれている場合でも、内部のバッテリーによって点灯される仕組みで、非常時に建物内部の人を安全に避難させる上で重要です。

建築基準法施行令によって設置が定められており、不特定多数の人が利用する特殊建築物・一定規模以上の建築物では設置が義務付けられています。

「内蔵型」「別置型」の2種類が存在する

非常照明設備にはバッテリーが設置される位置によって「内蔵型」「別置型」の2つに分かれています。

内蔵型は文字通り、非常照明機器の中にバッテリーが内蔵されているタイプのもの。

一般的に中小規模の建物で利用されるのは、内蔵型が多く、バッテリーの充電状態が確認できる緑と赤のモニターランプが付いているのが特徴です。

照明器具機器のみで回路が完結しており、耐火性・耐熱性などを配線に求めないので、一般電線で配線できるのもコストを抑えられて魅力的です。

対して、別置型非常照明機器とは別にバッテリーを置くタイプのことで、主に大規模の施設で採用されています。

別置型のメリットは、ひとつのバッテリーから複数の照明器具へ電流を送ることができるという点。

非常照明機器の個数が多い大規模な建物では、点検・更新の際に全ての照明機器のバッテリーを交換する作業には大きな手間がかかります。

別置型の場合、バッテリーがひとつにまとめられるので、点検・更新の際にかかる工数が大幅に少なくなるため、メリットが大きいのです。

ただその一方で、バッテリーから照明器具までの電線には、耐熱・耐火性が求められ、蓄電設備も別途で開発が必要なので、イニシャルコストがかかるのはデメリットでしょう。

LEDタイプの非常照明もラインナップされている

2014年11月に、パナソニック社からLEDタイプの非常照明機器が発売されて以降、各社LEDタイプが多数販売されるようになりました。

LEDは白熱灯・蛍光灯に比べると、大きく省電力化が図れるのが魅力で、24時間点灯している非常照明にとってはピッタリの光源でもあります。

長期間に非常照明機器を利用したい方は、ぜひLEDタイプの非常照明を選んでみてはいかがでしょうか。

非常照明設備と避難誘導灯の違い

非常照明設備と似たような照明器具として避難誘導灯が存在します。

2つの器具の名前を聞いても「どう違うのか分からない!」という方が大半ではないでしょうか。

今回は違いが分かるように表にして以下のように表しました。

非常照明設備避難誘導灯
画像
設置基準が定められている法律建築基準法消防施行規則
設置の目的消防隊の救助作業時における照明確保初期段階の避難誘導のため方向指示

上記のような違いがあるため、非常照明設備には耐熱性が求められますが、避難誘導灯には特に求められていません。

似ているようでも、見た目・目的・法律など様々な違いがあるので注意が必要です。

非常照明設備の設置基準

非常照明設備を設置する際には、以下のような様々な基準があるので注意が必要です。

明るさ

非常用照明装置を点灯させて、30分間点灯させた状態で、床面1ルクス以上の照度確保が必要になります。

設置される建築物

基本的に以下の基準に当てはまる建築物には、非常照明設備が設置される必要があります。

  • 映画館・病院・ホテル・学校・百貨店などの特殊建築物
  • 階数が3以上で、延べ面積が500m²を超える建築物
  • 延べ面積が1000m²を超える建築物
  • 無窓の居室を有する建築物

耐熱性

非常照明器具では、消防隊の救助活動を主な目的としていることもあって「140℃の火熱に30分間以上耐えられる」ことが求められます。

非常照明設備の設置が免除されるケースもある

非常照明設備では、以下のような建築物には設置が免除されます。

  • 採光がとれる開放性の高い廊下、階段
  • 一戸建ての住宅、長屋・共同住宅の住戸
  • 病院の病室、下宿の宿泊室、寄宿舎の寝室
  • 学校等(小中高・体育館・ボーリング場・スケート場など含む)
  • 避難階と直上階・直下階の居室で基準を満たすもの
  • 床面積が30㎡以下の居室で基準を満たすもの

設置が免除されるかどうかは、建築基準法に則って、工事の際に業者と確認しながら進めましょう。

非常照明設備の更新工事にかかる費用

費用
非常照明器具 更新55,000円

非常照明器具の更新工事にかかる費用相場について調査したところ、費用を公開している業者は以下の1社(7万円~)しか見受けられませんでした。

上図では、弊社で非常照明器具の更新工事を行なった場合の費用を公開しています。

弊社では、非常照明器具の更新を55,000円〜で承っています。

1本あたりの価格は、どのタイプを利用するかによっても異なりますが、5~8万円の範囲で考えておくと良いでしょう。

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非常照明設備は、火災・停電などの非常時にも、重要な役割を果たしてくれる防災設備として欠かせません。

長年利用していると、蓄電池が切れて、いざという時に作動しなかった・・ということになりかねないので、定期的な点検・工事が必要です。

もし現在「非常照明設備の更新工事を考えている」ということであれば、弊社でもお見積りさせて頂きますので、ぜひ一度ご気軽にご相談ください。

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この記事の担当スタッフ

建築・消防ラボのお問い合わせ受付/見積もり作成などを担当。消防工事・消防点検・建物工事・建物点検に関する幅広い見積もり依頼を受け付けております。業歴60年のなかで様々な点検/施工実績がございます。社内にいる各種スペシャリストと連携してサービスを運営しております。

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