屋根の高圧洗浄にかかる費用｜必要な理由と基礎知識も徹底解説

2023年7月31日

屋根の塗装工事では、高圧洗浄機を使用した「高圧洗浄」という工程が必ず必要になります。時間と費用もそれなりにかかることですので、「本当に必要なの？しなくても塗装に問題ないのでは？」と考えてしまう方もいるでしょう。

今回の記事では、屋根の塗装工事における高圧洗浄の必要性、費用相場、大まかな流れについて解説します。信頼できる業者を見つけるためのポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

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屋根の高圧洗浄って何？なぜ必要？

屋根の高圧洗浄とは、屋根を塗装する前に表面についた塗膜や汚れを高圧洗浄機を使用してきれいに洗い流す行程のことです。

高圧洗浄はお金のかかることなので、「ただ屋根を洗い流すだけなら別にやらなくても良いかな…」と考える人もいるかもしれません。

しかし、屋根部分の塗装は、太陽光や雨風による影響から特に劣化が起こりやすい箇所です。

もし屋根の表面に剝がれかけた塗料の膜やホコリ、カビなどが残ったまま塗装をしてしまうと、仕上がりも悪くなるうえに、塗装がすぐに剝がれてしまうといった不具合を起こしてしまいます。

1回の工事で塗装を長く綺麗な状態に保つためにも、高圧洗浄で塗料が載りやすいしっかりとした下地作りを行うことが大切になります。

屋根や外壁の塗装を行う際には、高圧洗浄は必ず行うべき行程です。

高圧洗浄の費用相場

高圧洗浄の費用は、㎡あたり100～300円が相場となっています。

特殊な薬品を使用する「バイオ洗浄」の場合は、少し単価が上がり、㎡あたり200～500円が相場となります。

屋根の高圧洗浄では、高所作業となるため足場設置費用もこれに加わります。

足場設置にかかる費用は、㎡あたり700〜1,200円が相場です。

また、高圧洗浄で使用する水はすべて依頼主が負担することになります。

水道費用はそこまで高いものでもなく、高くても2,000円程度の負担で済む場合がほとんどです。

作業内容	相場費用
高圧洗浄	約100～300円/㎡
高圧洗浄(バイオ洗浄)	約200～500円/㎡
足場設置	約700～1200円/㎡

時間はどれくらいかかる？高圧洗浄の大まかな流れ

高圧洗浄工事にかかる時間は、外壁と屋根を合わせても7～8時間程度、その後塗装をするために乾燥時間を要するため、最低でも24時間、長くて48時間は空けることになります。

乾燥時間が結構長いと思われるかもしれませんが、水分が少しでも残ったまま塗装をすると、仕上がりが悪くなってしまうため、乾燥時間はできる限り長めに設定することが望ましいのです。

高圧洗浄のおおまかな流れは下記のようになります。

足場・飛散防止シートの設置をする
高圧洗浄機の準備をする
高圧洗浄を施工する
しっかりと乾燥させる

足場・飛散防止シートの設置をする

屋根の高圧洗浄は高所作業となるため、事前準備として足場を設置します。

その後、洗浄水や汚れた水が周囲に飛び散らないよう、ビニールシートなどの飛散防止シートを建物に張っていきます。

また、工事の騒音により迷惑がかかる可能性があるため、近隣住民への挨拶も事前に行います。

高圧洗浄機の準備をする

高圧洗浄機に使用する水を専用タンクやバケツに用意し、洗浄機を安定して使える状態にします。

施工に使う水は、基本的に依頼主の水道をお借りすることになります。

高圧洗浄を施工する

高圧洗浄機を使用して施工していきます。

塗面の状態や汚れ具合を確認しながら、屋根や外壁に過度な負担を与えすぎないよう水圧を調整しながら施工します。

しっかりと乾燥させる

高圧洗浄が終わったら、しっかりと乾燥させます。

施工する季節にもよりますが、乾燥にはおよそ24〜48時間かかるケースが多いです。

高圧洗浄機にも種類がある！それぞれの違いを解説

高圧洗浄で使用される高圧洗浄機にはさまざまな種類があり、それぞれで性能も違い、かかる費用も若干異なる場合があります。

高圧洗浄で使用する洗浄機は、主に下記の3種類が使われています。

通常タイプ
バイオ洗浄タイプ
トルネードタイプ

それぞれ詳しく解説します。

通常タイプ

直線状もしくは扇状に水を放出するもっとも標準的なタイプです。

標準的といっても、業者が使用する高圧洗浄機は家庭用とは比べものにならないほど水圧が強く、ほとんどの汚れはこの通常タイプで落とすことができます。

かかる費用も他のタイプと比べて最も安く、㎡あたり100〜300円が相場となります。

トルネードタイプ

トルネードタイプは、ノズルの先端が回転している形状になっており、通常タイプよりも更に強い勢いの水を噴出します。

特にスレート屋根(薄いセメント板の屋根)の古い塗膜やひどい汚れを除去する際に使用するケースが多いです。

施工にかかる費用は、通常タイプとあまり変わらない場合がほとんどです。

バイオ洗浄タイプ

バイオ洗浄タイプは、洗浄前に特殊な薬剤を屋根や外壁の表面に散布し、水洗いでは落しきれないカビやコケなどの菌類を浮き上がらせてから洗浄する方式です。

薬剤を使用するため洗浄力も強力ですが、その分価格も高めに設定されており、㎡あたり200～500円が相場となります。

トラブルにならないために！屋根の高圧洗浄で知っておきたいこと

高圧洗浄を行う際に、事前に知っておきたいいくつかの注意点などについて紹介します。

高圧洗浄を行う際は近隣住民に挨拶を

足場の設置や高圧洗浄機の使用による騒音、洗浄水の飛沫が飛散してしまう恐れもあるなど、高圧洗浄を行う際には、近隣住民に少なからず迷惑をかけるものです。

近隣の方々とのトラブルを避けるためにも、工事前の挨拶は必ず行うようにしましょう。

基本的に近隣への挨拶は業者が行ってくれますが、依頼主本人が挨拶に来ればより誠意が伝わるので、なるべく本人も挨拶をする方が望ましいといえます。

高圧洗浄を自分でやるのはNG

高圧洗浄はそれなりに費用がかかることなので、業者の代わりに自分が洗浄をしてみようと考える方がいるかもしれません。

しかし、自分で屋根の高圧洗浄を行うのは避けた方が良いでしょう。

屋根の高圧洗浄は高所で行うものであり、ましてや水を使う作業なので転落事故に繋がりやすい作業です。

転落した場合はケガをするだけでは済まないかもしれず、非常に危険です。

高圧洗浄は自分で行おうとせず、しっかりと訓練を積んだプロに任せるようにしてください。

高圧洗浄で全ての汚れを落とすことはできない

高圧洗浄は、屋根の汚れを効率的に洗浄する手段としてとても有効ですが、すべての汚れを落とせるわけではありません。

ガンコなこびりつき汚れや、塗膜剥がれがある際には、ヘラやブラシなどを使用して手作業で除去していくことになります。

また、高圧洗浄機を使いすぎると下地に悪影響を及ぼす可能性もあるため、状況に応じて高圧洗浄機の使用を止める必要があるのです。

どんな汚れも落とせるようなイメージがある高圧洗浄ですが、それだけでは落とせない汚れもあり、場合によっては想定以上に時間がかかってしまう場合もあるのだと知っておいてください。

信頼できる業者を見つけるためチェックポイント

屋根の高圧洗浄は高所作業ということもあり、業者がどのような作業をしているのか、確認するのが難しいものです。

かかる費用も安いものではないため、仕事を依頼するなら信頼できる業者に任せたいところ。

信頼できる業者を見つけるためのポイントを、下記に紹介しますので参考にしてください。

施工前・施工後の写真を撮ってもらえるか
近隣住民へ挨拶をしてもらえるか
乾燥期間は十分にとられるか
費用が相場と比べて高すぎる、もしくは安すぎないか
見積書に諸経費などの内訳が細かく記されているか

これらのポイントをネットや電話口で確認し、しっかりと対応してもらえるようであれば、安心して任せられる業者だと言えるでしょう。