給排水設備は建物の要!トラブルのサインや点検・メンテナンスについて徹底解説

給排水設備は建物の要!トラブルのサインや点検・メンテナンスについて徹底解説

建物にはキレイな水を供給して使った水を排出するための給排水設備が必ず備わっています。人の暮らしに欠かせない水を安心して使うために、給排水設備の維持管理は必須です。この記事では給排水設備の概要と、ビルやマンションなどの大きな建物における給排水設備の点検・メンテナンスについて解説します。

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目次

給排水設備って何?

給排水設備とは、水の供給と排出に関わる設備の総称です。

人の暮らしには水が欠かせません。水道インフラが発達した現代の日本において、人が暮らしたり活動したりする建物には、必ず給排水設備が設置されています。

川や井戸の水を汲んで生活に使っていた時代とは違い、今の人々の暮らしは給排水設備がなければ成り立たないといっても過言ではないでしょう。

これから給排水設備の点検や維持管理に役立つ情報をご紹介するにあたって、まずは給排水設備の種類について見ていきたいと思います。

給水設備

給排水設備とは、生活に必要な水を建物の内部に供給するための設備です。具体的には、給水管、貯水槽(別称:貯水タンク・給水タンク)、給水ポンプ、給湯設備などがあります。

■給水管
上水道の水を建物内に引き込むための配管です。

■貯水槽(貯水タンク・給水タンク)
上水道の水を貯めておくためのタンクで、ビルやマンションなどの大型の建物に設置されています。

■給水ポンプ
上水道や貯水槽から引き込んだ水を、建物全体に行き渡らせるためのポンプです。

■給湯設備
湯沸かし器、給湯用ボイラー、循環ポンプなどの給湯設備も、給水設備に該当します。

排水設備

排水設備とは、生活に使った水を排出するための設備です。具体的には、配水管、通気管、排水槽・排水ポンプ、浄化槽などがあります。また、雨水を排出するための雨樋なども排水設備に該当します。

■配水管
台所・浴室・洗面所・洗濯などで使用した生活雑排水やトイレの汚水を、下水道に排出するための配管です。

■通気管
排水管内の空気圧を調整して、スムーズに排水できるようにするために設けます。また、通気管は排水管の中の換気にも役立ちます。

■排水槽・排水ポンプ
ビルやマンションなどの大型の建物で、生活雑排水や汚水を直接下水道に送ることが難しい場合には、排水・下水を排水槽に貯めてから排水ポンプを使って排出します。

■浄化槽
生活雑排水や汚水を微生物の働きで浄化するための設備です。公共下水道以外のところに排水する場合に設置されます。

衛生設備との違い

衛生設備とは、給水設備・排水設備・ガス設備・消火設備・し尿浄化設備・水の再利用に関わる設備などの総称なので、給排水設備は衛生設備の一環ということになります。

ただし厳密にいうと目的や役割が異なっています。給排水設備の役割は水の供給と排出ですが、衛生設備の役割は水を衛生的に供給・排出することです。

そのため、給排水設備という括りでは対象にならない蛇口やシャワーヘッドなども、衛生設備には含まれるのです。

給排水設備のトラブル

当たり前のように使っているので普段はあまり意識していないかもしれませんが、給排水設備は常に人々の生活を支えています。

ここでは、給排水設備にトラブルが発生したときのリスクと、早急にトラブルを察知して対処するためのチェックリストをご紹介します。

想定されるリスク

給水設備が故障して水の供給がストップすると、飲料水や調理に使う水が出なくなるほか、お風呂やトイレも使えなくなり、生活が立ち行かなくなります。

また、衛生面で深刻なトラブルも考えられます。給水管の錆び付きによって水が濁ったり、各設備の劣化や故障で万が一にも下水が混じったりすると、汚染された水を口にすることになってしまうのです。

排水設備に故障や不具合が生じた場合も、生活雑排水や汚水が流れなくなり建物内の衛生状態が悪化します。

大量の漏水や溢水(オーバーフロー)が起こると、腐食やカビの発生など建物に深刻なダメージを与えてしまう危険性もあるでしょう。

給排水設備のトラブルチェックリスト

給排水設備に何らかのトラブルが起こったときに、深刻な事態につながることを防ぐためには、早急にトラブルを察知して対処する必要があります。

ぜひ下記のチェックリストを参考に、給排水設備にトラブルのサインが出ていないか確認してみてください。

  • 給水設備から異音がする
  • 作動音が以前より大きくなった
  • 水圧が弱くなった
  • 水道から赤や黒の水が出る
  • 水道水に異物や浮遊物が混じっている
  • 水道水に砂利や砂が混入している
  • 水が苦い・渋い
  • 氷を作ると中央に白い固形物ができる
  • 蛇口、やかんなどに白色の固形物が付着する
  • 浴室のタイルが黒くなる
  • 浴室・洗面所・トイレなどの衛生陶器がピンク色になる
  • 浴室にためた水が青く見える
  • 水を汲み置きした容器にぬめりを感じる
  • 漏水している
  • 浴室の排水やトイレの流れが悪い
  • 排水するときに異音がする
  • 異臭がする(腐敗臭・下水臭・カルキ臭・金気臭など)

給排水設備の点検とメンテナンス

水は生活の要。給排水設備には、トラブル発生時の早急な対処だけではなく、トラブルを未然に防ぐことが重要だと言えます。

そのために必須となるのが、定期的な点検とメンテナンスです。

ビルやマンションなどの大きな建物では、給排水設備のトラブルがたくさんの人々の暮らしに影響を与えてしまうため、建築基準法とビル管理法で定期的な点検・報告やメンテナンスが義務付けられています。

建築基準法第12条が定めるもの

建築基準法第12条が規定する点検・報告制度、いわゆる12条点検の中に、給排水設備の点検も含まれています。

12条点検には「特定建築物定期調査」「建築設備定期検査」「防火設備定期検査」「昇降機等定期検査」の4種類があり、給排水設備の点検が行われるのは建築設備定期検査です。

なお、建築設備定期検査では給排水設備のほかに、換気設備・非常照明設備・排煙設備の点検も行います。

点検の頻度は1年に1回で、有資格者(一級建築士・二級建築士・特定の講習を受けた建築設備検査資格者のいずれか)によって実施されます。

所有または管理している建物が建築設備定期検査の対象になるかどうかは、最寄りの特定行政庁(※)に確認してください。

※特定行政庁とは

建築主事を置く地方公共団体及びその長のことで、建築行政全般を司る行政機関です。多くの場合は市町村、市町村に建築主事がいなければ都道府県が特定行政庁になります。

ビル管理法(ビル管理衛生法)が定めるもの

ビル管理法(ビル管理衛生法)とは、「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」の略称です。

不特定多数の人が利用するビルを清潔に保つことを目的とするビル管理法では、水や空気、清掃・衛生管理について管理項目を定め、定期的な検査とメンテナンスを義務付けています。

給排水設備に関する具体的な内容は、厚生労働省が定める水質検査や清掃の実施です。

水質検査は飲料水・雑用水(散水や清掃、トイレなどに使う水道水以外の水)・排水の3種類について行われ、検査結果が基準値に達しなかったときは設備の改善が求められます。

ビル管理法の対象になるのは、特定建築物に指定されている建物です。

特定建築物は建築基準法第2条が規定する「特殊建築物」をもとにして特定行政庁が指定しているので、該当するかどうかわからない場合は、最寄りの特定行政庁に確認しましょう。

また、検査・清掃の頻度や内容の詳細は、下記の厚生労働省HPにて公開されています。

参考:建築物衛生管理基準について|厚生労働省

点検・工事のタイミングや費用について

給排水設備にトラブルが起こると生活が立ち行かなくなるばかりか、衛生状態が悪化して人々の健康にも悪影響を及ぼす恐れがあります。

そのため、給排水設備に何らかの異常が見つかったときには、できるだけ早く修理・更新の工事を行わなければなりません。

ここからは給排水設備の点検や工事のタイミングと、その費用について解説していきます。

点検のタイミングと費用

まずは、前述した法定点検(建築設備等定期調査およびビル管理法が定める水質検査など)を必ず実施するようにしましょう。

法で定められた定期点検を怠ったり虚偽の報告をしたりすると、罰則の対象になることもあります。

また、定期点検以外のタイミングでも、異常のサインを察知したときには早急に点検を行い、必要に応じて修理や更新工事の手配をしてください。

給排水設備の点検にかかる費用は点検する範囲や内容によって異なるほか、業者によっても上下があります。

具体的な費用を知りたい場合は実際に見積りを取ってみましょう。

弊社でも給排水設備の点検を行っているので、ぜひお問い合わせください。

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工事のタイミングと費用

給排水設備の工事が必要になるのは、定期点検や日々のチェックで異常が見つかったときと、耐用年数に達したと思われるタイミングです。

給排水設備の耐用年数は8~10年といわれています。この時期を目安に、特に異常が見られなくても更新を検討すると安心かもしれません。

異常が見つかるたびに局所的な工事をするのは手間がかかるため、マンションであれば大規模修繕工事のときに修繕・更新するという方法もあります。

給排水設備の修繕・更新にかかる費用は工事の範囲や内容によって異なるので、実際に見積りを取ってみましょう。

マンションの大規模修繕工事は1戸あたり約100万円が目安ですが、費用を抑えるためにも複数の業者からの相見積りをおすすめします。

弊社は給排水設備の点検に加え、修繕・改修工事やマンションの大規模修繕工事にも対応しています。ぜひ下記の見積りフォームからお問い合わせください。

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給排水設備の点検・工事はトネクションへ!

暮らしに欠かせない水を供給・排出するための給排水設備は、建物の血管とも呼ばれています。

給排水設備にトラブルが起こると、人々の生活はあっという間に立ち行かなくなってしまうため、常に安心して使えることが求められているのです。

大きな建物ほど多くの人の生活に影響を与えるうえ、点検・工事の規模が大きくなりコストも膨らみますので、信頼できる業者に依頼することが大切です。

弊社は給排水設備に関する点検・工事の実績が豊富で、点検から工事までをワンストップで提供しております。

マンションの大規模修繕にも対応できますので、この記事を読んで興味を持った方は、ぜひお問い合わせください。

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この記事の担当スタッフ

建築・消防ラボのお問い合わせ受付/見積もり作成などを担当。消防工事・消防点検・建物工事・建物点検に関する幅広い見積もり依頼を受け付けております。業歴60年のなかで様々な点検/施工実績がございます。社内にいる各種スペシャリストと連携してサービスを運営しております。

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